ブルースカイ
「あれっ?」



最初に私に気付いたのはテルだった。

こっちを見る、三人の視線に、私は笑顔を取り繕った。



「翼、元気?」



無理やり元気を装って、病室の中に入る。



病室の中には、夏子さんの得意料理である、
タッパーに入った食べさしのアップルパイが置いてあった。




「あぁ。紹介するよ。妹の、美緒。」



「こんにちわ。」



言いながら、胸の中に痛みが広がる。




「妹さんなの?すごい、美人!!」



その女の子が、高い声を張り上げる。



「私、雪奈です。ここの、看護学生なの。お兄さんとは前からの知り合いで・・」



「彼女だろ!」



テルが言った。




その言葉が体の真ん中を鋭く突き刺す。




「まあ、そんなとこです。。」



テヘって笑いながら、翼の体を触る・・




私の翼は・・・




もう居ないんだ。。。




これが、現実―――
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