ブルースカイ
目の前の光景に押さえている感情があふれ出しそうになる。



「こっちはテル」


翼が指差した。




「知ってるよなぁ~。でもちょっとびっくりしたよ。翼の妹だなんて・・」



テルの言葉に、私は精一杯、笑った。



「翼には悪いけど、俺、美緒ちゃん、すでにナンパしちゃったんだ。」



「え~うそぉ~」


甲高い声・・

一瞬翼の顔が引きつったように見えたけど、すぐ、元に戻った。




「お前、妹には手ェ出すなよ!!」




「分かってるって。でも、気ィ向いたら、いつでも電話してね。美緒ちゃん!」





翼の手前、私は愛想笑いをした。





こんなの、いつもの私らしくない・・・




翼と私との関係は終わったんだって・・




初めて実感できた。





「それじゃ、私帰るね。ちょっと、様子見に来ただけだし。」




「俺、送ろうか?」テルが言った。



「ううん、家の車で来てるから。。」




私はウソをついて、病室を後にする。













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