ブルースカイ
見ると、


病院の出口の扉のそばに正也が立っている―



「かえろう。」



優しい声の主に私は、抱きついた。




「辛かったな・・
俺、さっき、翼の病室行ってきたんだ。アイツにお前の事、頼むって言われたよ。」




さっきまで押さえていた涙が一気に溢れ出して、


声が出せなくなっている・・




「アイツも、辛そうだった。」




外は少し涼しくて、秋の気配がした。



「しんどいよな・・こんな恋愛。
俺少しは分かるよ。お前らの気持ち。」




正也は自分の身の上話を語りだした。





「俺、前に、こんなに人を愛したことがないってくらい好きなやつがいて・・
クラブで出会ったんだけど、自分の事、ゲイだって、そのことに誇りさえもっててさ、かっこいいヤツだったよ。」



イケ面正也の意外な過去・・




「家を出て、半年くらい一緒に暮らしてたんだけど、俺達、何もかもが合っててさ。ソイツ以外他にありえねえ感じだった。。。それを、ちゃんと、両親にも分かってほしくてさ、一度実家に、ソイツ連れていったんだ。俺は、ゲイだって、親父にうちあけた。」




「それで、どうなったの?」




いつの間にか泣き止んだ私は、正也の話に身を乗り出してた。


















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