ブルースカイ
ガラス張りの無菌室――





翼は頭に黒いターバンを巻いて、座っている。





「美緒?」



力なく発した私の名前・・





「うん。調子どう?」




「ん、まあまあ。」





辛いのに無理に笑ってる姿が痛々しかった。





「雪奈にさ、別れを告げられたんだ。こんな俺、見てられないんだって・・」




そう言って、翼は私から目をそらす。




「そう・・」





「結局、俺って、誰にも愛されずに、死んでいくんだな・・」





苦笑いして下向く翼に私が言った。








「・・翼、私、妊娠したんだ。」





「・・・?」




「翼の子供だよ。」





びっくりした顔で、私を見上げる顔は少年のようで、
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