ブルースカイ
「・・・ココの病室、個室だし、いいよね。」





だんだん気付き始めた自分の気持ちを隠すように


私は心にも思っていなかったことをとっさに言った。





「そっかぁ?お前のトコの方がいいじゃん。」





翼は何も気付いてないみたいで、私はホッとする。



(よかった・・)





「いつも、カメラもって、わざわざ来るくらいだもんね。あんた、ほんとに、変わってるよ。」








翼の病室―・・・ここには、





花が置いてあって、





お菓子が置いてあって、





食べかけの、手作りの料理がおいてあって、





家庭のにおいがした。






私が飢えていたもの―





あいつは全部持っているみたい。





うらやましい?




でも不思議と、そうは思わなかった。




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