ブルースカイ
病院の受付を通り過ぎ、




新設された、精神科病棟まで急ぐ。




ガラっと開けたドアの向こう側に




青空が、




「たぁちゃん」




って叫ぶ――






青空は自分のパパの事をたぁちゃんとよんでいた。






私達に起きたもう一つの奇跡・・・





そこには、白衣に身を包んだ、翼の姿があった。





「セイラぁ!!」





パパに抱っこしてもらって、無邪気に笑うセイラ・・





「今、診察終わったところだよ。」





「そう。丁度よかった。ご飯、行こうよ。セイラがお腹すかせてるの。」





多忙な、翼に青空を少しでも会わすために、




私は時々、病院に昼食を取りに来ている。
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