ブルースカイ
いいな。


翼には大切な、家族がいて・・・






私にも居たんだよ―




ママ・・・




身勝手な人だったけど、あの人なりに




昔は、愛情を注ぐこともあったんだ。






覚えてる・・・





小さい頃、熱が出て苦しかった時におでこに感じた、





冷たい肌の感触。




ママの手―




ひんやりして、心地よくて、やさしくて、



しんどくなるのも、悪くないなって、思った。







初デートの日には、




派手な背中の開いた、真っ赤なワンピース、買ってきて、




「こんなの着ていけないよ。」って、私が言ったら、




ママは口尖らしてプンプン怒ってたんだ・・




でもね、





当日、私は、それ着て行ったんだよ。





相手は少しびっくりしてたけど、、、





でも、平気だった。




うれしかったんだ。




ママの気持ちが。





パパが死んで




家族はママ、一人だけだったから―




ママの気持ちは無駄に出来なかったし、




もっともっと愛されたかった。





ほんとは私、



いつも愛されてたかったんだ―・・・ママに。
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