ブルースカイ
「急に暗い表情するからさぁ、心配するじゃん。」




あぁ、それでか・・


ママのこと考えて、暗くなってたんだね。私―・・





見上げると、私を気遣う、優しい顔がすぐそばにあって、


本当に心配しくれてるのが分かった・・・






「・・・翼とおばあちゃん、見てたら、なんか自分の家族思い出しちゃってさ。」





「君は、おこちゃまか!?」





サラサラ笑う、翼の声を聞きながら、





私は笑顔を取り戻す。





「お前の家族ってどんなん?」





「ママひとりだけなんだ。」




「そっか。」




「でも、今はちょっと事情があってね・・・会えないの。」





「ナンか、あった?」




急に、




醜く太った武田の顔が、




荒い息づかいが、




油っぽい黒い指が





頭に浮かんで、





ビクッって体が反応した。






「ちょっと、色々ね。・・・」



「そっか。。。


美緒、何もかも一人で抱え込むなよ。


言う気になったら、いつでも、聞いてやるから・・


俺でよかったら。」






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