ブルースカイ
ママの仕事―


パパの生命保険金も底をついてきたのか、ママは最近、小さなクラブで水商売を始めたらしい。






家に帰ると、酒のにおいをプンプンさせて、武田が、私の帰りを待っていた。





「おかえり!美緒ちゃん、遅かったね~ヒィッ。嫁入り前の女の子が、こんな時間まで、外出歩いちゃ~だめだよ。ハハハハ」




武田は完全に酔っている。




「お母さんに、美緒ちゃんに、夕飯を作ってもらってって言われたんだけどぉ~。」



「えっ?私が?」



「家族になるんだから、そんな顔しないで、つくってよぉ~ヒィ」




(気持ちわるい・・)




仕方なく、武田に、チャーハンとスープを作り始める。




調理をする間中、背中に、武田の視線を感じた。




あの人、



じろじろ見すぎだよ・・・




私はさっさと夕食を済ませて、お風呂に入る用意をした。




私が風呂から上がると武田は、まだ寝転んで居間でテレビを見ている。





ママ―・・・ 二人きりにさせないでよ・・


まったく・・





「―ま、いいっか、何も言わずに、今日は寝よ。」




初対面の人と、一つ屋根の下で二人きりは、気まずくて、




私は部屋に戻り、そのまま、ベットに入った。










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