ブルースカイ
「バレたら、まずいから。」




「ほんとに来たの?」




「手紙書いてたろ。さっ行こうぜ。」




「・・行こうって、どこへ?」




「秘密の場所。」






翼は私の手を引っ張って、病室を抜け出した。



真っ暗な廊下を二人で歩く



ちょっとドキドキもん・・



翼が急に立ち止まった―




曲がり角の向こうから、足音が聞こえて



とっさに階段の踊り場のドアの向こうに隠れる。



・・・



乾電池をもって見回りにきた看護婦さんが



私たちのそばを通り過ぎた。




こわ~



スリリングっ!



でも・・





「ベットにいないこと、見つかるんじゃないの?」




「大丈夫。この病棟はこの時間でちょうど巡回終わってるから。」




「・・さすが病院の生き字引だね。」




「誰がだよ!」




翼に軽く頭を小突かれる。




振り向くと翼の笑顔が目の前にあって




ちょっと心を奪われた。。。




翼って、かっこいいんだよね― ・・




特にこの笑顔。



形のいい唇が白い歯を引き立たせてる・・




ぼーってしてる私の手を引っ張って、





「こっちだよ。」




翼は階段を1階まで降りて




外に出た。
< 76 / 276 >

この作品をシェア

pagetop