ブルースカイ
その時、ふと、私は、今まで抱いていた―



抱いていたけど、言い出せなかった、「願望」を思い出す。






  パパのところに行きたい・・・







気が付くと、私は、裸のまま、ベランダに立っていた。





外は、静かな雨が降っている。






ここは、マンションの6階、今日は風のない日だった。






ベランダの柵に足を掛ける。






「パパ、今行くからね。私。



  パパの空に ―」








そのまま、柵を飛び越えて、





私の体は宙に舞ったんだ。

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