-RAIN-
・第一章 -雨の中-
ザ―




《お前、つまんないからいらない。
バイバイ…》



最後に聞いた彼の言葉。


大好きだった彼から聞いた言葉。



嘘だと思いたかった。


夢だと信じたかった。



でも、これは現実なんだなっと気付くと、


目の前が真っ暗になって、何も考えられなくなった。






傘をさす事さえ忘れて居た。



今、何処に向かって歩いているかも分からない。






ザ―




容赦なく降注ぐ雨は、私の涙を隠すかの様に、私をずぶ塗れにした。





私を打ち付ける雨は、冷たくて、冷たくて、私さえも流してしまいそうで怖かった。
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