-RAIN-
『あんた誰??』



私がそう質問しても、少年は答えず、



『風邪ひくよ??』



悲しそうな笑顔で言った。



『あんたに…関係ないよ…。』



私がそう言っても、少年ゎ表情を全く変えず、ただ悲しそうに…遠くを見つめる様に笑って居た。




『私、行くから…。』



そう言って、走り去ろうとした私ゎ何かに包まれた。




でもその何かは、確認しなくても、すぐに分かった。





少年だ。





『ちょっとッ離してょッ』



私が叫んでも、少年ゎ離れてくれなかった。




『はな…して…。』



少年の体は暖くて、何だかすごく安心して涙が出て来た。


私の冷えきった体が暖まって行く…



少年の心臓の音が、トクトクと、背中から体全体に響き渡った。



雨が降り続ける中、私と少年は一言も喋らず、ただじっと雨に打たれ続けて居た。
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