群青のピリオド


女は何も言わず、水槽の中から俺を見ている。


思わず、女に手を伸ばす。

触れた髪は、細く絹のようだった。胸まで伸び、栗色の光を纏っていた。


女は、髪に触れた俺の手に、自分の手を重ねた。


冷たい、指先。


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