群青のピリオド


瞳に映る自分と目が合う。

「……本当は、私のこと、邪魔なんでしょう?」


そうだよ、邪魔だ。
わかっているなら消えてくれ。


『ちがうよ』


「嘘つき。海耶くん、言わないけれど本当は……」


言わないで。言わないで。言わないで。僕の心を暴かないで。


「それ以上言うな!」


それは、ほんの少しの衝動。

気づけば僕の両手は、彼女の首に回されていた。

びく、びく、血液の循環する感触。


「ハァ……ハァ……」


彼女の細い喉が跳ねる。
あまりに生々しいその温度に、僕は手を離した。


「ごほっ……げほっ……」

必死に酸素を求める彼女を見て、我に返る。


< 31 / 38 >

この作品をシェア

pagetop