zinma Ⅲ



それにマーガットは目を見開く。


「んなっ………!全滅だと?!それは……」


「い、いえ!殺されてはいないのですが、全員気絶させられています。今すぐに救護班を……」


「いや、それより先に第一級監獄に残っている兵をすべて降ろさせろ!今はとにかく人員を増やすのが最優先だ!」


「は、はい!では……………」




ドンッ!!!!



そこで突然要塞がひどい音を上げながら大きく揺れる。

「な、なんなんだあ?!」

「うわあああああ!!!」

「いったいどうなってる!!!」

兵士たちが一気にパニックになり、マーガットも近くのテーブルに手をついて動きを止めた。


地震、なのだろうか。

嫌な予感がする。


それにマーガットが顔をしかめて天井を見上げたところで、


ドォォオオン!!!


さらに大きな音が響いたかと思うと、マーガットのちょうど背後に石造りの天井が崩れ落ちてくる。


「くっ…………!」

間一髪で転がってよけると、ばたばたと回路の上から何人もの兵士がひどく怯えた表情で駆け降りてくる。


「ま、マーガット中将!!!う、上が、あの、と、突然………」

「落ち着け!!!!!!!」


驚くほどのマーガットの大声に、その場にいた兵士たちすべてが黙り込む。


それを確認すると、マーガットは静かだが低く威圧感のある声に変えて言う。


「それで?何があったんだ?」


報告をしに来た兵士はまだ残っているらしい動揺と、マーガットへの恐怖で震える声を出す。


「そ、それが……だ、第一級監獄が、突然、く、崩れ落ちて……」

「崩れ落ちた?」

「は、はい…。上の第一級監獄の調査をしていた部隊を呼びに行ったところ、なぜか監獄にカギがかけられていて、全員閉じ込められていたんです。
それで、我々でなんとか開けようとしていたら、突然大きな地震が来て、床が崩れたんです。」

「………そのほかに異常はなかったのか?」

「はい…。本当に突然のことで…。」

「……わかった。お前たちは休め。」

「あ、ありがとうございます。」



そう言って去っていく兵士たちの背中をマーガットは黙ったまま見送る。




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