赤い糸―運命のヒト―



「空…」



次の瞬間、あたしは想に抱き締められた…



何で?



あたしは想にひどいこと言ったのに…



気付けば、辺りは校門から出てきた生徒で賑わっていた。



そんなとこで抱き合ってる男女なんて注目の的。



「ちょっ、想、離して…っ!!」



無理矢理想の腕から逃げ、あたしは一目散に走り去った。



「空…っ!!」



もちろん想の声には振り向かない。



振り向いちゃいけない…――






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