赤い糸―運命のヒト―



…――



今は俺の部屋にいる。



もちろん空も一緒に。



「空、1人で苦しむなよ…」



俯いている空。



今、どんな顔をしているんだ…?



「想に…何がわかるっていうの…?」



空は俯いたまま小さく呟いた。



そいて顔を上げた空は一瞬哀しそうな顔をしたが、その後何かを決心したかのような顔になった。



「想は家族がいるでしょ?あたしにはいないの…大好きだったお父さんとお母さんもひいおばあちゃんも…死んじゃったの…っ!!…あたしは1人で生きていくよ。誰にも頼らない。強い人間になるんだから…!!」



空は少し泣きそうな顔をした。



そんな顔…するなよ…




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