赤い糸―運命のヒト―
「は…?」
今、何て言った?
空が…出てった?
嘘だろ?
何で…
「空はどこに…どこに行ったんだよ!?」
思わず声を荒げた。
冷静でなんかいられるはずない。
「さぁ…?突然だったし。お金は返すって言ってたし別にいいかなと思ったのよ。お金さえ返してくれればあんな子出てったくれた方がよかったわ。」
最悪…
この女、人として最悪だ…
空をなんだと思ってんだよ?
たしかにあんたが空を恨む気持ちもわからなくはない。
それでも、空を物としか思っていないこの女が俺には許せない。