赤い糸―運命のヒト―
「…失礼します…」
俺は軽く空の義母を睨み、冷たい声で言いはなった。
これ以上、この女と話しても無理だと思った。
義母がドアを閉めたと同時に俺は走り出した。
空の行きそうな場所は…っ!?
必死に考えて色んなところを探し回った。
「…んでっ!!いないんだよっ!!」
どれだけ探しても空は見つからない。
「ハァ…ッ…ハァ…ッ…」
息が切れて両膝に手をついて立ち止まる。
それでもすぐに走り出すが…いいかげん空が行きそうな当てがなくなってきた。
空の携帯にはかなり前に掛けた。
もちろん、繋がらなかったけど…
最後の望みをかけて、再び携帯から空の番号を探して発信ボタンを押すが…
『プルルル…』という虚しい音が数回繰り返されて、留守電の女の人の淡々とした声が俺の耳に響いただけだった…