赤い糸―運命のヒト―
そういえば、空バイトはどうしたんだろ?
もしかしたらバイト先の喫茶店の人は何か知っているかも…
思い立った途端俺は再び走り出した。
…――
―バンッ―
俺は喫茶店のドアを勢いよく開けて店の中へ入った。
「いらっしゃいませ。」
店主らしき50歳くらいに見える男性は、俺の慌てように多少驚いた顔をしながらも優しく微笑んだ。
平日の午前中なだけあって店に客は1人もいなかった。
「どうぞ?」
男性はカウンター席に俺を促した。
俺は軽く頭を下げて席に着いた。
さっそく本題に入ろうと話を切り出した。
「あの、一ノ瀬 空のことを何か知りませんか…?」