赤い糸―運命のヒト―



「あぁ、空ちゃん…?空ちゃんなら今朝早い時間に店にきたよ?…ところで、君は…?」



不思議そうな顔で聞かれた。



たしかに、制服着てる高校生が平日のこんな時間に街中を出歩っているなんて誉められたもんじゃない。



でもそんなこと気にしてる暇はない。



空が今朝ここに来たってことは、まだそう遠くへは言ってないだろう。



とりあえず店主に話を聞こう…!!



「俺…海堂 想っていいます。空の家の近所に住んでいて…――」



「…あぁっ!!君か!!」



俺の話を遮った店主は1人、納得したように数回頷いた。



「君のことはたまに空ちゃんから聞いていたよ。空ちゃんってポーカーフェイスな感じだけど、君のことを話す時だけ少しだけ笑うんだよ。」



空が俺のことを…――?



こんな時だけど不覚にも喜んでしまった。



「あの、空は今朝、何をしにここへ…?」



何か手がかりが見つかるかもしれない…



空の居場所の…





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