赤い糸―運命のヒト―
店を出てから数分。
俺の携帯が鳴った。
「空…っ!?」
慌ててポケットから携帯を取り出た。
でも、ディスプレイに表示されていた名前は『菊池 日向』。
少し残念に思いながら通話ボタンを押した。
「もしもし?」
『おー、想。学校ザボって何してんだ?一ノ瀬さんもいないし…一緒にいるわけ?』
「…その空を探してるんだっつーの。」
『…え?』
「空がいなくなった。今街中を探し回ってる。」
『…じゃあ!!俺も一緒にっ!!』
「平気。お前は真面目に授業受けとけ。じゃ。」
『ちょっ!!おいっ!!想っ…!!』
まだ日向の声は聞こえていたが無理矢理電話をきった。
「ふーっ…」
俺は大きく息を吐き出して再び走り出した。