赤い糸―運命のヒト―



歩きながらキョロキョロしていると1つの墓の前でひたすら手をあわせている女の子を見つけた。



もう何年も一緒にいるんだ。



一目でわかる。



「空…」



砂利の音があまりたたないように空に近付いた。



そうとう集中しているらしく、俺がかなり近くにきても気付かない。



『ジャリ…』



少し気を抜いたら大きな音が鳴ってしまった。



閉じていた目を薄く開いて俺の方を見た空。



「想…??」



一瞬目を見開いた空はすぐはっとしたような顔になって急に走り出そうとした。



「空っ!!待てって!!」



慌てて空の手首を掴んだ。



「離して…っ!!」



誰が離すかっつーの!!




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