赤い糸―運命のヒト―



「なんでいきなりいなくなったりしたんだよ!?」



空を見つけても怒鳴るつもりなんかなかったのに。



見つかった安心が空回りして怒りに変わった。



しかも俺から逃げようとするし。



まだ抵抗を続けている空。



「なんで俺から逃げるんだよ…っ!!」



俺のつまった声に空は抵抗をやめて俺の顔を覗いてきた。



「…ごめん、想。」



空は俯きながら謝り、空の手首を掴んでいた俺の手をそっとほどいた。



最早、力の入っていなかった俺の手は空の力でも簡単にほどけた。



冷静に、なれ…



冷静に…



自分を落ち着けて空の様子を改めて伺った。



困ったような、泣きそうな顔をしている。



「で、お前はこんなとこで何やってたんだ??」



ここ…



それは空の『本当の』両親が眠っているところ…――



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