赤い糸―運命のヒト―
「ちょっと!!何笑ってんのよ!!」
その空の照れ隠しで怒ってるのが丸わかりな態度をみて、更に愛しく思ってしまう俺は大分重症みたいだ。
「…ハハッ!!悪い、悪い。空の間抜け面が可愛くてな。」
少しのからかいも交えて言うと、また顔を赤くして俯くから面白い。
俺は俯いてる空の顎を掴んで上を向かせた。
不意をつかれたらしい空は何の抵抗もなくそれに従う。
まだ顔の赤みがひかない空の表情がなんも艶めかしくて俺はまた空に恋するんだ。
「空。俺はお前が好きだよ。だから、逃げるなよ。他のものは何からでも逃げていいから。俺からは、逃げるな。…俺が全部、受け止めてやるから…!!」
お願いだから、伝わってくれ。
この、今にもどこかへすり抜けて行ってしまいそうな彼女を俺という鎖で繋いでおきたいんだ。
空、頼む、空。
もう、俺の前から、消えたりしないでくれ…
「…もうっ!!ばか想…っ!!遅いんだよっ!!私は…私はずっと、想のことが好きだったんだから…っ!!」