赤い糸―運命のヒト―



入学式の後は教室に帰って、担任の話を少し聞いて下校になった。



「空、バイバイッ!!」



「バイバイ。」



美衣菜に手を振り返している時、想があたしのところへ来た。



「帰ろうぜ。」



「うん。」



想に言われて鞄を持ち、立ち上がる。



想は小学生の時からずっと、毎日あたしと登下校してくれる。



友達のいないあたしを気遣ってくれていたんだと思う。



想のそういう優しさに触れるたび、もっと想を好きになる。



想はズルイね…

< 14 / 140 >

この作品をシェア

pagetop