赤い糸―運命のヒト―
海堂 想(かいどう そう)。
彼はあたしを闇の中から連れだしてくれた光。
あたしの大好きな人。
想はあたしの気持ちになんか全然気付かないけど…
想と出会ったのはあたしが6歳くらいだった頃。
その頃のあたしは絶望してて…
だけど想が救い出してくれたんだ。
あたしは一ノ瀬 空(いちのせ そら)。
あたしの大好きな両親が付けてくれた大切な名前。
だけど…空なんて名前あたしに相応しくない。
広くて、綺麗で自由な空。
そんなのあたしとは正反対。
今日から始まる高校生活。
楽しみなんか全くない。
それより早く卒業してあの家を出たいだけ…――