赤い糸―運命のヒト―
力無くあたしがそう答えると「元気ないよ?本当に大丈夫?」とあたしの顔を覗き込みながら言ってきた。
しつこいと思いながらも「本当に平気です。」と抑揚なく答えた。
あたしがそう言うと夏樹君は、あたしと少し距離をとって、ガサゴソと自分のポケットを探り始めた。
どうやら携帯を探していたらしい夏樹君は、見つけた携帯をあたしの前に出してきた。
「よかったら話聞くよ?いつでもメールでも電話でもして?」
…それってメアドと番号、交換しようってこと?
…イヤだ…
「…大丈夫です。」
さり気なく断ろうとするけど…
「遠慮しないでさ~…教えてよっ!!ねっ!? 」
遠慮なんてしてないし…
教えたくないだけ。
それからも、断わり続けているのに粘っ てくる夏樹君。
いいかげん限界がきたあたしが大きな音 をたてて椅子から立ち上がると同時に…
「お前、さっきから見苦しい。しつこい 男は嫌われるよ?」
あたしを助けてくれたのは…