赤い糸―運命のヒト―
「え?何で?」
倒れたこと、覚えてないのか?
「教室で空が倒れたんだよ。」
「あっ…そーなんだ…もしかして、想が助けてくれたの?」
「…ここまで運んできただけだけど。」
「そっか。ありがとう。…ハハッ、あたし昨日薄着で寝ちゃって…それで風邪ひいちゃったのかな?」
空…お前、笑ってるけど笑ってないよ。
熱が出たのだって…殴られたからだろ?
俺はそう聞くべきなのか?
それとも、何も知らないふりをするべき?
俺にはわからないけど…――
このまま放っといたら空がどんどん傷つくことだけはわかる…