赤い糸―運命のヒト―



「え?何で?」



倒れたこと、覚えてないのか?



「教室で空が倒れたんだよ。」



「あっ…そーなんだ…もしかして、想が助けてくれたの?」



「…ここまで運んできただけだけど。」



「そっか。ありがとう。…ハハッ、あたし昨日薄着で寝ちゃって…それで風邪ひいちゃったのかな?」



空…お前、笑ってるけど笑ってないよ。



熱が出たのだって…殴られたからだろ?



俺はそう聞くべきなのか?



それとも、何も知らないふりをするべき?



俺にはわからないけど…――



このまま放っといたら空がどんどん傷つくことだけはわかる…


< 43 / 140 >

この作品をシェア

pagetop