赤い糸―運命のヒト―



「空…」



俺はなおも空を見つめる。



空の本当の答えを促すように。



すると、空の瞳から一粒涙がこぼれた。



「あれ?あたし、何泣いてるんだろ?」



空はごまかして涙をとめようとするけど、溢れ出したそれは一粒、また一粒…と、次々に空の頬を濡らす。



「空…強がんないで?俺に本当のこと、教えて?」



…――全部、受け止めるから。



俺はそう呟いて、空を両腕で包み込んだ…


< 45 / 140 >

この作品をシェア

pagetop