赤い糸―運命のヒト―



「空は俺ん家と自分の家、どっちで暮らしたい?」



そんなの…



「想ん家に決まってるじゃない…」



自分の家族なんか大っ嫌い…



「じゃあいいじゃん。」



じゃあ…お言葉に甘えて…



「よろしくお願いします…」



あたしがそう言うとあたしの頭を軽く撫でてくれた。



―キュン―



心臓がギュッと苦しくなる。



今の仕草、やばいよ…



「学校には言うか?」



あたしがポーッとしていると、想が聞いてきた。



学校には…



「言いたくない…」



だって理由説明するときに、『家族から暴力受けてるから…』なんて言いたくない。



先生だとしても知られたくないものは、知られたくない。


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