赤い糸―運命のヒト―



「…あたし、空だけど。」



控えめな声でしゃべる。



『…何の用?』



電話の相手があたしだとわかった途端、声のトーンが下がった。



…ま、予想通りだけど。



「話があるの。…あたし、その家から出てくから。」



キッパリと強い口調で言った。



あの人達に対してこんなにハッキリ何か言ったのは初めて。



だから多分義母も動揺するはず…



『な…出てくって…今まで誰が育ててあげたと思ってんの!?』



そういうとは思ってたけど…



実際に言われると、イライラして泣きたい気持ちになった。


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