赤い糸―運命のヒト―



「わかった…」



そう言って電話を切った。



そのまま玄関へ向かう。



あたしが出ていく音が聞こえたらしい義母がリビングから顔を覗かせた。



「…ちゃんと帰ってくるのよ…?」



冷たいその笑みにあたしは身震いしそうになった。



あたしはそれに返事をするでもなく、無言で家を出た。



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