赤い糸―運命のヒト―
そしてあたしの地獄の日々が始まるんだ…
…――
これが隠されていたあたしの両親の過去。
つまりあたしは、『あの人達』が尚も払っている借金を完全に『あの人達』に返すまでは逃げられない…
あたしはあたしの学費や生活費とかはあたしの両親のお金で払ってると思ってたけど…
それも全部『あの人達』のお金だった…
話終わって想を見ると想は泣きそうな顔をしていた。
「なんで想がそんな顔するの…?」
「…空が平気なふりして話すからだろ…」
想は目尻に少し溜まった涙を乱暴に拭ってあたしを見つめた。
「空、泣けよ…俺の前では強がんなくていいから…」
想はそう言って、静かにあたしを抱き寄せた。
想のその言葉を聞いた瞬間、あたしの目から次々と涙が溢れた。
それからしばらくあたしは想の温かい胸の中で泣き続けた…――