一番近くに君が居る
ココは理解出来ただろうか。
ふと心配になり、翔が様子を窺うと、ココがなんだか嬉しそうな表情をしている事に気がついた。
「うん…そうなの。そうだとわたしも思うの」少し俯き加減のココは呟く。
「あのね?わたし、ずっと思ってる事があるんだ」
そう言うココはどこか懐かしげで、昔の何かに思い馳せている、そんな雰囲気だった。
「自分達の関係って、他の人には分からなくても自分達が分かってればそれでいいと思うの。自分がどう思ってて、相手がどう思ってるかがちょうど良ければずっと続いていけると思うの」
「…そうか」
「そうなの。だからわたしが求め過ぎない限り直哉とは仲良く居られると思うんだ。求め過ぎたせいで大事なものを無くすくらいなら、わたしはもうこれ以上は自分から望まないの」