一番近くに君が居る
3.

「ねぇ翔君!わたしは可愛い?」




次の日。

一日にして噂はすっかり広まったらしく、直哉の周りではコソコソと話し声が常に聞こえて来るようになっていた。
朝の登校中だけでも分かるぐらいに、だ。

溜息をつきつつ、直哉はもう言いたいだけ言えばいいと思った。どうせすぐに飽きて静かになるだろう。人の噂もなんたらって言うし…。


「直哉、大丈夫?」

「ん?あぁ、全然!ココの方はどうだ?昨日何か言われたりしてないか?」

「…ううん、何も」


「そっか、何かあったら言えよな」なんて笑ってみせる直哉はどこか疲れているようにココには見えた。
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