一番近くに君が居る
学校に近づくと、いつものように挨拶をする友人らももちろんいるのだが、チラチラと様子を窺うような気配も増した気がする。
わたしのクラスの前まで行くまでにどれだけ人に会うんだろう…なんて、学校という場所の人の多さを改めてココは感じる。
クラスが違うことから、別の位置にある下駄箱で靴を履き替えるため一度直哉と分かれ、また合流するために校舎内へ入った、その時だった。
目に入って来たのはもう一人の噂の的である、美穂の姿。そしてーー、
「おい、迷惑してんだろ」
彼女に群がる、面白半分にからかう人々へ止めに入る直哉の姿だった。