一番近くに君が居る

そう言ってまた、ココはうーん…と考え始める。そんな事を言われたら次は翔が困ってしまう番である。何故かって?それはもちろん、解決しなければこのまま明日も直哉に呪われ続けることになるからだ。


「…でも、話したいことがあるんだよな?まとまって無くていいから話してくれよ」

「…いいの?昨日話聞いてくれたし翔君の言ってる意味も分かったから、翔君に聞いて貰おうと思ったんだけどね?でも本当にわたしも分からないんだけどそれでもいいの?」


首を傾げてこちらを見るココに翔が「おう」と答えてやると、ココは「…よし!」と、何やら気合を入れたようだった。

そして、やっと思いを口にする。


「あのね?わたし…初めて恋を知ったの」

「…え…えぇ?」


翔はガラにも無くポカンとした後、思わず目を丸くしたまま聞き返した。
昨日の今日で何があった⁈ と。昨日の話振りから随分ズレた出だしである。

< 117 / 306 >

この作品をシェア

pagetop