一番近くに君が居る

「…は？何を急に、」

「わたしも直哉と居る時、可愛い顏してる⁇」

「……あぁ、なるほどな」


その瞬間、思わず焦ってしまった自分を恥ずかしく思う翔。いやいやまったく、本当に、オレとした事が…なんて、純粋に尋ねてくる目の前のココを見ると、余計にこっぱずかしく感じたりする。


「可愛い顏って…ンなもん、分かんねぇよ。この顔が可愛い顏だっつーのを見せてもらわねぇと」

「んー…そうか…美穂ちゃんの顏見てないもんね…なんだそっか…」


翔の心境など一切察する事無くその返答を素直に受け止めたココは、見るからにガッカリしてみせる。そんなココを見て翔はイマイチよく分からなくなった。


「なんだよ、可愛い顏してたかったのか？なんでそんな事聞くんだよ」


するとまたココは「んー…」と、歯切れを悪くするが、もうここは出ている答えを翔に伝える事に決めた。


「うん…そうしたら…わたしの気持ちも、分かるかと思って」

「は？気持ち？」

「そう。わたしの直哉への気持ち」