一番近くに君が居る
「昨日翔君、アイツの事どう思ってんだってわたしに聞いたでしょ?」と尋ねてくるココに、翔は頷いた。でも確かアレは最後はぐらかされたような…と思いつつ、あの時のココの表情を思い出し、また何とも言えない気持ちになる。
「わたしはね?直哉の事好きだけどね?恋はしてないと思ってたの。だって直哉に恋してた美穂ちゃんはもっと恐い顏した所しか見た事なかったし、恋は戦だって…笑華ちゃんが言ってたし」
やっぱりアイツかー!と、心の中で大声で叫んでみる翔は、もちろん顔には出していない。…が、心の中では動揺しまくりである。
「でもね、本当に今朝は驚いてね、これが本当の恋か!って思ったのね?こんなに美穂ちゃんも直哉を好きなのか!って。だから邪魔しちゃいけないって思ったんだって気づいたんだけど…だからね?もしかしてわたしもあんな風に直哉の事見てるのかな?そしたらわたしは直哉に恋してるのかもな?って思って…思った…んだけどな」