一番近くに君が居る
こうなったらココに直接会って確かめてやる!と、直哉は急いで着替えを済ませ部室を飛び出した。
慌てて飛び出したのだが…しかし、「直哉君!」と、呼び止める声で足を止める事になってしまう。
「どうしたの?そんなに慌てて…今日何か変だったし…」
直哉が振り返るとそこには、訝しげに首を傾げる美穂の姿があった。
「…別に、何もねぇよ?」
「でも皆気にしてたわよ、可笑しいって…もしかして、今朝私を庇ったせい?」
「いや、全然なんでもねぇって。俺ちょっと急いでるから、」
「じゃあココちゃんと何かあったんでしょ?」
「!」
直哉は素直に驚いてしまう。美穂はココ関係の事に昔からすぐに気がつくのだ。直哉が分かりやすいのか、美穂が気にし過ぎているのか…どちらもあり得る話だった。