一番近くに君が居る
「やりたい事はやった方がいいよ」
「あ、そうだ直哉!おまえも入ろうぜ!」
昼休み。直哉は体育館でクラスの友人らとバスケするぞーっ!と盛り上がっていた所、一人が思い出したかのように声を掛けてきた。「何にだ?」と尋ねると、彼はコレコレと、ポケットから折りたたまれた紙を取り出してみせる。
「バスケ部入部者募集…っていやいやおまえ、なんで今そんなん持ってんだよ」
「ほらこないだ配ってたじゃん?それ入れっぱだったんだよ。おまえバスケやってただろ?しかもキャプテンだったよな⁈ 俺試合でおまえに見たことあんなーと思っててさ!な!やろうぜ!」
中学時代。直哉はバスケ部に所属していた。小学生の頃からジュニアチームに入っていた直哉はバスケがやはり他の部員よりも得意で、持ち前の運動神経とその人望から中学時代はキャプテンを努めていた。小学生の頃から続けていたバスケ。もちろん直哉はバスケが好きだ。しかし…
「…あー、俺いいや。やめとく」