一番近くに君が居る
「えー!なんでだよーっ、おまえめっちゃ上手いのに!」
「いや、なんかもういいかなーと思ってさ。ほら、そんなことより早くやろうぜ!みんなで!」
クラスの友人とふざけ合いながらやるバスケもまた、直哉は好きだった。だからこれで十分だと。もういいんだと直哉は思った。
もし自分が部活に入ったとしたら、中学時代より減ったココと一緒に居る時間が更に少なくなる。前はそれでも笑華が居たが、今は居ないのだ。もし自分がいなかったらと思うと、その居ない間のココがとても心配だった。
「部活ねぇ…」
昼休みが終わり教室へ戻った直哉が席に座りポツリと呟くと、後ろの席から「入んの?」と、なぜか返事が。
後ろの席は…そう。佐久間 翔だ。