一番近くに君が居る

「俺がダメと言ったらダメだ!」





それから何日か経つとすっかり噂話は聞こえてこなくなった。


直哉の牽制が効いたのか、はたまた周りがすっかり興味を無くしたのか、何れにせよまた平穏な日々が戻ってきた事に直哉は安堵する。

そして何故か翔も同様にホッとしているようだったが、何故かは直哉にはよく分からなかった。

そうこうしているうちに気がつけば夏休みの始まる7月ももう直ぐそこで、そのための最後の難関を迎えることとなる。


「なぁココ。もうすぐテストだな」


テスト週間に入り、直哉の部活は休部中。ということで、ココと直哉は久々の二人での下校中だ。ココはもちろん翔も誘ったのだが、本人に丁重に断られてしまった。翔が今頃どこで何をしているのかは不明である。
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