一番近くに君が居る
「えぇ⁈ なんで⁈ 咲ちゃんが男子の夢だって、直哉も喜ぶって言ってたのに!」
「あ、あはははは!男子の夢!じゃあめっちゃエロいヤツ頼む!」
「お、おい佐久間この野郎!」
「なんで?見たくねぇの?ココのメイド姿」
翔に尋ねられ、「そ、それは…」と思わず口ごもる直哉だったが、隣の翔がニヤリと笑っているのを見てハッと我に返った。
「と、兎に角!俺がダメと言ったらダメだ!」
「えー!」と抗議するココを翔に任せ、「じゃあ昼飯食ってくる!」と、直哉は足早にその場を去った。あーあ、どうすんだよコレ…と思いながら翔がココに目をやると、ココはガッカリといった様子で頭を垂れていた。
「わたし…ダメだったって明日言ってみる…」
「…オレはいいと思うけどな?それくらい」
「ううん、いいの。帰ろう翔君…」
そしてトボトボと歩き出すココに、翔もやれやれと付き添うのであった。