一番近くに君が居る
4.
「れ、恋愛って何⁈」
結局、直哉にダメだと言われたココはメイド服を諦める羽目になった。しかし裏方に回る訳では無い。メイド達と共にフロアスタッフとして参加することになったのだが…
「じゃあ篠宮さんはウサギで」
長田は文化祭のアレコレを書き留めた紙にカリカリと書き込む。目の前にはガックリとうな垂れるココの姿があった。
「ウサギだって充分可愛いじゃん。ココなら似合うって」
なんて友美が持ち上げてみるが、ココもメイド服に憧れがあったらしい。「着てみたかった…」と、正直諦めきれない様子であった。そう、ココは一人ウサギの着ぐるみを着る事になったのである。
他に制服にウサ耳と尻尾の案も挙げられたのだがそちらも直哉の了解が得られなかったため、結果着ぐるみの方向になった。なんでダメダメ言うのだろうかと、ココは不思議で仕方ない。ウサ耳もやってみたかったのに。