一番近くに君が居る


「何が?」

「長田君がだよ、みんなをまとめられてすごいなぁと思って。長田君のおかげで文化祭上手くいきそうだね!」

「……」


あまりにもストレートに褒められて、思わず言葉を失う長田。そんな長田に気づくこと無く、ココは今もニコニコと楽しそうにしている。


「…いや、委員長になっちゃったからな…やることになっただけだよ」

「そう?わたしが委員長だったらこうはいってないよ?」

「そりゃあな、篠宮さんと比べたらアレだけど」

「…ん?今わたし馬鹿にされた?」


なんて首を傾げるココにクスリと笑みがこぼれた長田。そういえば篠宮さんとちゃんと話したのは始めてかもな、なんて思う。


「篠宮さんって変わってそうだなとは思ってたけど、結構面白いんだな」

「え、そうかな?面白いかな?」


そして「ふふ、嬉しい」なんてまたも笑ってみせるココに、あ、嬉しいんだ、なんて思うが声には出さなかった。
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