一番近くに君が居る
「ココちゃんは、誰かに恋したの?」
「え?」
「恋したから気づいたんでしょ?そうなんじゃないかって」
「え、いや、違うの。わたしじゃないんだけど…あの…えっと…み、美穂ちゃんが…」
「は?美穂?」
その瞬間、やけに低い声と共に空気がグッと重くなったのをココは感じる。そうなのだ、昔から笑華は美穂の事が気に入らないのだ。
「美穂がどうした?なんかした?」
「い、いや、そうじゃなくて、美穂ちゃんがとってもふんわりしてて…直哉の前で…」
「は?アイツまだ諦めてないの?」
「あ、諦めてないって言うか、と、兎に角!違ったの!昔の美穂ちゃんと違ってすごくなんか、可愛くて…いや、前から可愛かったけど、そうじゃなくて可愛くて…わたし驚いちゃって…」
モゴモゴと口ごもって俯いてしまったココに、笑華はいけないと、深呼吸した。ちょっと落ち着かせないと。兎に角、ココちゃんの言いたい事は分かった。
「…変わって無いよ、アイツは」