一番近くに君が居る

「でも、浴衣だと足が痛くなっちゃうからな…」

「下駄の事?」

「うん…昔それでお父さんにおんぶしてもらった気がする」

「そうね。確かにズレるかも…でも、もしココちゃんが着たら直哉君喜ぶんじゃないかしら」

「直哉が?」


そっか。それなら着てみようかな…!なんて思った瞬間、あれ?こんな事つい最近あったぞ?と、思い返してみると、あのメイド服事件に行き着いた。
あれ?もしかして…


「…浴衣は…男子の夢?」


まさかのそんな突拍子もない質問に久代はキョトンとしてしまったが、少し考えてあぁ、そういうことね、と理解した。


「そうね、男の子は浴衣が好きね。女の子が浴衣で来てくれたら喜ぶわ。浴衣姿が可愛くて」

< 171 / 306 >

この作品をシェア

pagetop